017 ビュリダンのロバの弁護士「ビュリダンのロバ」という例え話があるようです。道中で、その先に食糧がある2つの道の分岐点に立ったロバが、そのどちらの道を選ぶかに迷ってしまい、結局その場で餓死してしまうという寓話です。物悲しいながらもどこか滑稽なお話です。...
016 弁護士の白痴いきなり「白痴」という言葉が目に飛び込んでくると、驚く方もおられるかもしれません。これは差別用語の一つとされることもあるからです。もっとも、今回お話しさせていただきたい「白痴」は、言わずと知れたロシアの大文豪ドストエフスキーの長編小説です。...
015 弁護士の怒りの葡萄「怒りの葡萄」は、アメリカの文豪スタインベックが描いた、1930年代アメリカのオクラホマ州の農民たちの物語です。この時代のオクラホマ州の農民たちは、農業の機械化の波に飲み込まれ、次々と仕事や畑を失ってしまっていました。 主人公であるトム・ジョードの一家も、そのような流民農家...
014 紫式部の悪ふざけ紫式部の「源氏物語」と言えば、誰もが知っている日本文学の最高峰です。さぞ格調が高くお淑やかな文章が続くのかと思いきや、非常に品の無い、悪ふざけのような描写もちらほら登場致します。 その最たる例が「末摘花(すえつむはな)」という姫君にまつわる物語です。...
013 浦島弁護士太郎浦島太郎の話は、今さら私が説明するのもおこがましいのですが、亀を助けて龍宮城に招待された太郎が村に帰った後玉手箱を開けると一気に老人になってしまうという物語です。龍宮城で夢のような生活を送っているうち、いつの間にか驚くほどの長い年月が過ぎてしまっていたのでしょうか。...
012 弁護士の復活(2)前回に引き続き、トルストイ先生の「復活」における裁判を観察します。 裁判官、検察官に続き、弁護人も以下のように小馬鹿にした目線で描かれています。 …「続いて、弁護人が立ち上がって、口ごもりながらおどおどと弁論を始めた。彼はそこで雄弁の才を示そうと思い、大局的見地から見た事実...
011 弁護士の復活(1)「復活」は、ロシアの文豪トルストイ大先生の長編作品群のうちの一つです。この作品では、様々な社会制度への批判がなされています。 国家権力の象徴たる裁判という制度についても、非常に小馬鹿にした、ほとんどコメディタッチの描写が多々登場します。私の立場としては「けしからん、それは馬...
010 老人と海と弁護士「老人と海」は、アメリカの文豪ヘミングウェイによるハードボイルド純文学の一つです。 この作品は、タイトルからもわかるように漁師の村を舞台にした物語です。主人公の老人も漁師なのですが、歳のせいか思うように漁がはかどらず、村の人間からの評判も落ちてきてしまっています。もっとも、...
009 車輪の下の弁護士「車輪の下で」は、ヘルマン・ヘッセの代表作の一つです。ヘッセは少年の精神的成長の過程を描いた作品が多いのですが、本作では非常に勉強熱心な少年ハンスの儚い一生が記されています。 この作品には、弁護士はおろか、法律のほの字も登場しないので、本稿のタイトル「車輪の下の弁護士」は意...
008 ヒルの脳髄今回はニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」に出てくる奇妙な学者の話にテーマを借りて、弁護士の仕事について考えてみようと思います。 ある日ツァラトゥストラが沼地を歩いていると、うっかり人間を踏みつけてしまいます。まさか沼地に人間が横たわっているなどとは予測できないでしょう...