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■ 会社を畳まない倒産?

 コロナ禍で、ホテル・旅館や飲食店の倒産ラッシュが続いているとの報道が多いですね(不吉なテーマで恐縮です。。)。ただ、一口に「倒産」と言っても、必ずしも「会社を畳む」というわけではありません。「倒産」という言葉の響きからすると、「会社を畳む」「廃業する」などというイメージが強いですが、実は、会社を畳まない倒産もあるのです。細かい話ですが、倒産には「破産」「清算」「民事再生」「会社更生」など色々な意味合いが含まれております。
 一般にいう「会社を畳む倒産」というのは、「破産」です。
 その一方で、「会社を畳まない倒産」の代表格は「民事再生」です。
 ですので、一口に「倒産ラッシュ」と言っても、その中には、会社を畳まない倒産である「民事再生」も含まれているのですね。
 民事再生とは、要するに「裁判所を通して、会社を畳むことなく再生する計画を立てて、経営再建を実施すること」です。最近の報道でよく出てくる「ホテル・旅館の倒産」の中でも、数が多いのはやはり破産ですが、その陰には破産ではなく民事再生を選択した会社の数も含まれています。
 つまり「ホテル・旅館の倒産ラッシュ」とは言っても、その中には「経営再建に向けて前向きに民事再生を選択し、実際に経営再建の見込みが立っている」ホテル・旅館も一定数含まれているということです。
 「倒産」「倒産」という言葉が独り歩きして、業界に非常に暗雲が垂れ込めているイメージも強いですが、中には経営再建へ向けて民事再生を選択して前向きに頑

張っていらっしゃるホテル・旅館もあるということです。
 コロナ禍で大変な経営状態にあるホテル・旅館が多いのは事実です

が、このように経営再建に向けて民事再生中の会社も多いという明る

い事実についても、しっかり頭に入れておきたいと思います。

―弁護士より一言―

 一般用語と専門用語で意味が全く違ってしまう日本語、ありますよね。一般的には「1ないし3」というと「1または3」という意味ですが、なぜか法律書面だと「1から3」という意味になるのです。初めはチンプンカンプンでしたが慣れとは怖いもので、法律書面作成の際は特に違和感なく使用してしまいます。ただ、依頼者様へは必ず説明が必要な箇所になります。皆様の業界での特有の日本語で、何か面白いものがありましたら是非お教えください!

                     (文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)

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