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■ 悪質な口コミを書かれたら?
多くの旅館・ホテル(というよりあらゆるサービス業)が頭を悩ませている現代特有の問題に、「悪質な口コミ」があると思います。
OTAや検索エンジンなどのほとんどが、宿泊客が口コミを投稿できる仕組みになっていますね。
大部分のお客様は、高評価か低評価にかかわらず、いわば正当な意見を書いてくださっていると思います。
高評価で言えば、例えば「あの料理が美味しかった」「スタッフのサービスがとても良かった」などで、低評価で言えば「温泉がぬるかった」「アメニティが少なかった」などですね。
こういった口コミは事実に基づいたものである限り、高評価であれば励みになり、低評価であれば改善点の発見に繋がります。
その一方で、事実に反した投稿や、単なる誹謗中傷といった投稿がなされることもあります。
極端なケースで言えば、例えば「あの旅館は反社会勢力と繋がっている」「あのスタッフがクズだった」などといった口コミがあった場合、それは「正当な低評価」というのを超えて、名誉棄損や誹謗中傷に該当する可能性があります。
そういった書き込みに対しては、書き込んだ本人への削除請求や、場合によっては裁判を起こすといった方法も検討しなければならないと思います。
裁判所は「正当な低評価」を超えて、名誉棄損や誹謗中傷と言えるケースでないと削除を認めませんので、ハードルは低くありません。
また、そもそも「投稿者のIPアドレスの保存期間」も限られているため、投稿者を特定するための法的手続も時間的余裕がなく、その意味でもハードルはあります。
ただ現在世の中はネット上の誹謗中傷に真剣に向き合い始めており、法整備も進んできております。
これからは、ネット上の悪質な口コミや誹謗中傷には、毅然とした対応をとるべき時代となっていくのではないかと思います。
―弁護士より一言―
この2月7日は、全旅連青年部さん主催の「宿観光旅博覧会-宿フェス」(東京ビッグサイト)におうかがいする予定です。このイベントは、キャッチフレーズにもなっている「コロナに打ち勝った象徴」という大きな意味合いを持つものだと思います。コロナ禍は本当に辛かったですが、これから一気に巻き返しのチャンスだと思いますので、私も微力ながらその一助となれれば幸いです!
(文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎 2023/2/1)