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■「サービス料」はどういう性質のお金?


 「サービス料」は日本のホテル・旅館や飲食店で定着しており、これはサービスをしてくれた従業員さんへの感謝の気持ちという意味合いが強いと思います。
 欧米の「チップ」の文化が、少し異なった形式で日本にも定着したと言われております。
 ただこの「サービス料」…よくよく考えると、法的な位置付けはよくわからないのですね。
 欧米の「チップ」の場合、ホテル・旅館への宿泊料とは別に、その従業員さん自身への感謝の気持ちということで直接渡すことが多いと思います。
 その一方で日本の場合は、従業員さんに直接ではなく、宿泊料の支払いの際に同時に支払われますので、従業員さんには直接渡らないことが多いと思います。
 つまり、そのままホテル・旅館の売上として扱われることになるのです。
 それって…要は「宿泊料の一部」なのではないか?という疑問が湧いてきます。
 サービス料の法的根拠は、いくら調べても出てこないのですね。なぜなら、「サービス料について明確に定めた法律がない」からなのです。
 なので、法的にどうこうというよりは、これまでの慣習により自然に定着した文化という側面が強いということになります。
 強いて法的な分析をすれば、少しお堅いですが「宿泊料金の一部又は追加料金として、事前の合意により支払われる宿泊契約上の対価」という理解になりそうです。
 なので…「これってただの宿泊料の一部なのではないか?」という疑問がそのまま答えになりそうです。
 ただ、だからといってすぐに「欧米のチップ制度より劣っている」と結論付けられるわけではなく「ホテル・旅館の売上が増え、それが従業員に給与という形で還元される」という流れにさえなっていれば、お客様から従業員さんへの感謝の気持ちは
しっかり伝わるということになります!

 

―弁護士より一言―

 皆様、明けましておめでとうございます。年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
 私は元々出不精なので、私や妻の実家で何もせずひたすらのんびり過ごしておりました。よく正月太りと言いますが、やはり私も「ただでさえ順調に出てきているビール腹」がさらに肥大化したのは間違いなさそうです。今年は、コロナの影響も小さくなり、ホテル・旅館のこの数年の鬱憤を一気に晴らせる年になりそうですね。私も少しでもその一助となれるよう、今年も全国のホテル・旅館にリーガルサービスをお届けします!
 昨年に引き続き、今年も、何卒、よろしくお願いいたします!

​(文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎 2023/1/5

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