■ トラブルの事前防止がどれだけ出来ているか?①


 セミナーや講演などの機会があるといつも繰り返し申し上げさせていただくのは「トラブルが起きてからでは手遅れで、トラブルの事前防止が重要」という点です。
 弁護士というと、これまでは、トラブルや困り事が発生してから頼むというイメージが強かったと思います。
 ただ、訴訟などの大きなトラブルになってしまってからはどうしても一定の損害が生じてしまいますし、時間も労力もかかります。
なので、とにかくトラブルはまだ小さいうちにその芽を摘み取るのが最重要なのです。
 そこで今回は、トラブル事前防止対策の代表例を列挙させていただきます。
 まずホテル・旅館業界の皆様として必須なのは、「宿泊約款がしっかり作成されていて」「かつそれがHPや客室などで公表されているか」という点です。特にキャンセル料や、宿泊拒否などの点を明確に定めた上で、事前に宿泊者様が確認できるような状態にしておくことが必要です。そうでないと、「確認できる状態になかった宿泊約款は無効」という事態になりかねないからです。
 また「個人情報保護指針を作成した上で」「それをHPや客室などで公表しているか」という点も重要です。個人情報保護の重要性が高まる昨今、情報の取扱方針をしっかり明示してお客様にご安心いただく必要があるのですね。
 後は「従業員同士のパワハラやセクハラ」「トラブルの絶えない問題従業員」を放置していないかという点です。経営者側としては「従業員同士のことは従業員同士で解決して欲しい」と思ってしまいがちですが、裁判所では、「会社にも職場環境を整える義務」があるという考え方が強まってきており、注意が必要です。また、そういう従業員が一人いるだけで他の従業員が疲弊して辞めてしまう場合もあり、それを防ぐという意味合いもあります。
 また次回、続いて列挙させていただきたいと思います!

 

―弁護士より一言―

 皆様、明けましておめでとうございます。
 私が学生時代からたまに聞いた言葉として「訴訟に負ける弁護士は三流、勝つ弁護士は二流。一流なのは、訴訟化を防ぐ手伝いができる弁護士である。」というものがあります。
 学生時代は「ふうん、そんなものかな」という程度の印象でしたが、自分の弁護士経験年数が増えるにつれ、その言葉の重みをより強く実感してきております。
 本年度も、何卒、よろしくお願いいたします!

​(文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)

2I3A9330.jpg