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■ 「キャンセル料」に法的根拠はある?
ホテル・旅館業界を中心として、「キャンセル料」が発生することがあるというのは、周知の事実ですね。
ただ、その法的根拠はどこにあるのかと考えてみると…意外にすぐに答えられる方は少ないのではないでしょうか?
その根拠には、大きく2つのパターンがあります。
まず一つ目は「申込書などに、キャンセル料が明記されていた場合」です。
そして二つ目は「申込書では明記されていなかったとしても、宿泊約款に記載されていた場合」です。
これらの場合は、「宿泊契約」に内容の一部として「キャンセル料の合意があった」という法的な評価になるのですね。
逆に言えば、申込書に記載されておらず、かつ宿泊約款にも記載されていなかった場合…キャンセル料の合意はなかった、すなわち「キャンセル料は発生しない」という結論になってもおかしくありません。
また、宿泊約款に記載されていたとしても、その宿泊約款を申込者が見られる状態でなかったのであれば、やはりキャンセル料は発生しないという結論になりかねません。
その意味で、宿泊約款にキャンセル料規定をしっかり設けた上で、「それをHP上や申込画面などにしっかり掲載しておく」ということが重要になります。
いわゆるドタキャンノーショーの場合であっても、キャンセル料規定が上記のように明確に表示されていなければ、泣き寝入りということになりかねません。
皆様のホテル・旅館の「宿泊約款」には、キャンセル料の規定はされており、かつHPや申込画面に掲載されておりますでしょうか?
―弁護士より一言―
これまで弁護士は「トラブルが発生してから」「問題が生じてから」というイメージが強かったと思います。
もっとも、トラブルや問題が発生してしまってからでは…残念ながら手遅れでやはり一定の損害が生じてしまう、というケースが非常に多いように思います。
そこで、是非「トラブルを防止する」「問題の芽を小さな段階で摘み取る」ために、弁護士を利用いただければと思います。
幸いなことに、「トラブルを事前に防止するため」に顧問弁護士に依頼するという考え方に共感してくださったホテル・旅館経営者様からの顧問依頼も増えてきております。
引き続き、ホテル・旅館業界でのトラブル「事前防止」に尽力させていただきます!
(文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)