■ 検温結果により宿泊拒否ができるのか?


 新型コロナウイルス以降、様々な施設の入り口で検温が実施されるようになっています。ホテル・旅館でも、ほぼ全ての皆様が実際されていると思います。
 ただ、最近皆様から「検温で例えば37.5度以上が出ても宿泊拒否まではできないのですよね、結局どうすれば良いのでしょうか?」というご質問をいただくことがあります。
 結論としては「宿泊拒否に踏み切らざるを得ない場合もある」となります。
 なぜこのような曖昧な結論になってしまうのか、少しだけ細かくご説明いたします。
 まず旅館業法では「原則として宿泊拒否はできない」とされており、違反すると最大で50万円の罰金刑となります。ただ「原則として」なわけですから、宿泊拒否が出来る場合もあるわけです。
 そこもしっかり旅館業法で定められていて「宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」には宿泊を拒否しても良いとされています。……ただ、「伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」なんて実際にあるのでしょうか?検温のみでそれがわかることなんて、稀だと思います。
 ですのでホテル・旅館側としては、検温に加えて、咳、鼻水、味覚障害、嗅覚障害などの症状がないかどうかの自己申告を求めて、その結果によって「新型コロナウイルスに罹患している可能性が高い人」については宿泊拒否も検討しなければなりません。
 仮に館内で集団感染が生じてしまえば、ホテル・旅館の存続にかかわる重大な支障が生じてしまいます。それを避けるために、旅館業法にいう「明らか」とまで言えるかわからなくても、宿泊拒否に踏み切らざるを得ないホテル・旅館も増えているというのが現状だと思います。

 

―弁護士より一言―

 「風の谷のナウシカ」は、猛毒ガスが世界に充満し、人間は皆ガッチリとしたマスクをした世界を描いています(間違ってたらすみません。。)。

 マスクが当たり前になった今日この頃…突然気付いたのですが、新型コロナウイルスが蔓延してしまっている現代は、まさに「ナウシカ」の世界ですね。

 このウイルスが、世界を浄化する作用で生じたものなのかは、全くわかりませんが……早く元の生活が出来ることを願って、日々消毒やマスク着用に励んでおります!

​(文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)

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