■ 新型コロナウイルス感染者の宿泊について

 新型コロナウイルスが猛威をふるう状況で、今まであまり考えられてこなかった法律問題の数々が生じてきています。
 ホテル旅館業との関係でまず一番身近な問題は「新型コロナウイルス感染者の宿泊をどう考えるか」という点です。
 皆様もご存知のように、旅館業法5条では「宿泊拒否は原則禁止」されています。その一方で、「宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき」には宿泊を拒否しても良いと規定されています。
 コロナウイルスも、まさに「伝染性の疾病」である可能性が高いでしょう。
 そうすると「コロナウイルスに感染していることが明らかである」お客様については、宿泊拒否をできる可能性が高そうです。
 ただ実際に問題になるのは「感染しているかもしれない」お客様や、「待期期間中」のお客様です。このような方の宿泊を受け入れるかどうかは、非常に難しい問題です。ホテル旅館からすれば、館内で一度でもコロナウイルスが発生してしまえば、倒産しかねない致命的な打撃となります。その一方で、疑わしいお客様は全て宿泊拒否としてしまうと、旅館業法違反となる可能性が出てくる上に、「宿泊拒否されたお客様はその後行き場所がなくなるおそれがある」という倫理的な問題もあります。実際にこの問題に直面しているホテル旅館業の方も多いと思いますが、宿泊拒否に踏み切らざるを得ない方もいらっしゃるようです。
 このような状況で一番重要なのは、まずはお客様自身に「熱などの自覚症状がないかどうか」を申告していただき、また、より徹底するのであれば入館時の検温などを行うことです。ただこれもやりすぎると、本来は息抜きの場であるホテル旅館が殺伐としてしまい、本末転倒です。
 まずは館内の衛生管理を徹底するのが最優先ですが、今後どのような対応策をとることが適切なのか、一緒に考えさせていただきたいと思います。

―弁護士より一言―

 マスクが一切買えない状況ですね…。マスクは本来「1日1枚」が推奨されているようですが、とてもじゃないですが1日1枚なんて確保できない状況です。私も「背に腹は変えられない」ということで、1枚のマスクをアルコールウェットティッシュや除菌スプレーで消毒しつつ2~3日使っている状況です。。「1日1枚」という当たり前の状況が戻ってくるまでに、あとどれくらいかかってしまうのでしょうか…?

                     (文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)

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