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■ 電気ケトルをとんでもない方法で使用されたら?

 たまにニュースなどで見かけることがあるのですが、ホテルや旅館などの宿泊施設にある「電気ケトル」、宿泊客によっては…とんでもない方法で使用しているようなのですね。
 通常の利用方法は、ドリップコーヒーやカップラーメンに使うお湯を沸かすといったところですよね。
 ところが、インスタントラーメンを茹でたり、ゆで卵を作ったりといった方法で使う方もいるようなのです。ただ…このあたりまでは、百歩譲れば許容できるような気もいたします。…が、より進んで、煮物や鍋に使用したりする方もいるそうです。ここまで来ると清掃は相当大変でしょうし、そもそも清掃が不可能な汚れまでついてしまいそうです。さらには…なんと下着を洗濯する人まで(!)いるようで、もはや何がなんだかわかりません。
 ホテル旅館の立場からすると、このように「とんでもない使用方法」で電気ケトルを使用された場合、法的には、利用客に対してどのような請求ができるのでしょうか。一番ストレートなのは、清掃不可能となった電気ケトルの代金の損害賠償請求をすることですよね。また、厳密に考えれば刑法上の「器物損壊罪」も成立し得ますので、警察に相談又は刑事告訴をするというのも一つの手です。
 ただ、よほど悪質な例を除いて、お客様に対してここまで責任追及をするというのは、あまり前例がないし実益も低いような気もいたします。
 やはり一番良いのは、事前予防でしょうか。例えば電気ケトルを設置してある場所や宿泊約款などに「電気ケトルはお湯を沸かす以外の方法では使用しないで下さい。」と注意書きを書いておくのが一番現実的な方法でしょうか(「そんなの最初からわかってる!」という声が聞こえてくるようです。。)。もちろん、悪質な利用客にはしっかり法的責任を追及すべきですので、その際はお気軽にご相談くださいませ!
 

―弁護士より一言―

 カップラーメン…健康に悪いのは重々承知しているのですが、たまに無性に食べたくなり、貪り食ってしまいます。ホテルや旅館にある電気ケトルも、カップラーメンにお湯を入れる際にありがたく利用させていただいております。…だからこそ、上記のような事実を知った際は唖然としました。。ただ、皆様のホテル旅館では電気ケトルは綺麗に清掃されていることを信じて、これからも迷いなく利用させていただきます!

                     (文責 旅館・ホテル業界に強い弁護士 佐山洸二郎)

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